もの忘れ
もの忘れ
もの忘れとは、大きく3種類に分けられます。
上記にははっきりとした境界線がないことが多く、病気によるもの忘れであっても早期発見や適切な治療を行うことによって回復するものもあります。当院のもの忘れ外来では、「もの忘れ」を早く発見し、総合的な診断・治療を行います。状態によっては自覚に乏しい方が多いため、ご家族や周りの方々でご心配になる方がいらっしゃる場合は是非お気軽にご相談ください。
もの忘れとは、歳をとることで誰にでも起こることです。しかし、アミロイドβやタウ蛋白などの『ゴミが脳内に異常に蓄積される』ことによってもの忘れを生じますが、異常なゴミの蓄積により引き起こされるものが認知症です。
日常生活への影響は少なく、ご自身で自覚されていることが多いです。また、一般的に症状は進行することが少ないとされています。遅延再生(覚えた事柄を一定時間後に思い出す)が障害されることが多いとされています。
『昨晩の食事内容を思い出せない。』などのエピソードが当てはまります。
①と③の中間です。日常生活への影響は少なく、ご自身で自覚されていることが多いですが同時にご家族からも指摘されることも多いです。進行しない場合年間8人に1人程度が③「病気によるもの忘れ」=「認知症」に進行してしまうと言われています。
ご自身での自覚は乏しく、進行してしまうと日常生活へも影響が出てしまうことがあります。昔の出来事や身体が覚える記憶は障害されにくく、比較的最近の出来事・記憶が障害されることが多いです。「正常なもの忘れ」とは違い、体験したことそのものを忘れてしまうことがあります。その他には、時間や場所の感覚が不確かになってしまいます。
『食べたことそのものを覚えていない。』『夕食の準備や買い物で失敗する。』などのエピソードが当てはまります。
※あくまでも、上記は目安となります。
徐々に悪化するもの忘れが続く場合は、認知症の可能性があります。
厚生労働省の2012年度調査では、65歳以上で認知症の方は約462万人、軽度認知障害(MCI)の方は約400万人と分かっており、65歳以上の4人に1人は認知症またはMCIに当てはまる高齢者にはかなり頻度の高い病気です。
症状としては、進行してしまうともの忘れの症状に加えて、暴言・暴力、怒りやすい、徘徊、眠れない、食行動異常(拒食/過食)、やる気がわかないなどの周辺症状が出現することもあり、日常生活にかなりの影響が出てしまいます。
認知症は、脳内に蓄積するタンパク質(ゴミ)の種類や機序によって、
などに分類されます。
認知症の種類によって症状や進行の仕方や程度も違い、治療方法も違います。そのため、早期発見と早期治療介入が大切ですし、自覚がないことが多いためご家族や周囲の方々の理解と協力も必要です。
当院ではまずしっかりと症状やきっかけとなった出来事などを伺い、その上で認知症がどのようなものかを丁寧に説明し、機関病院とも連携を取りながら一人ひとりの状況に合わせて回復への治療を一緒に行っていきます。認知症の方の多くは自覚症状がないため、ご家族にもなるべくご同席いただくことをお勧めしております。